クリープ¶
本章では,FrontISTR が採用するクリープ構成則を扱う.使い分け・入力指定の詳細は機能編 03_material を参照.
クリープ現象とひずみの加算分解¶
応力一定の状況下において時間依存性のある変位は「クリープ」と呼ばれる現象である.
前述した粘弾性挙動も一種の線形なクリープ現象と考えることができる. ここでは,いくつかの非線形なクリープの説明を行うこととする.この現象は瞬間的に発生するひずみに追加することで構成式とする方法が一般的に用いられ, ある定荷重が継続している間のひずみをクリープひずみ \(\varepsilon^c\) とする. クリープを考慮した構成式は,通常,応力と全クリープひずみの関数として定義されるクリープひずみ速度 \(\dot{\varepsilon}^c\) が用いられる.
ここで,瞬間的に発生するひずみが弾性ひずみ \(\varepsilon^e\) であるとすると,全ひずみはクリープひずみを加えた次式のように表される.
ここで,
である(\(c\) は弾性係数テンソル).
Norton 則¶
クリープ構成式の具体的な形として,FrontISTR では以下の Norton モデルを採用している. その構成式は下式のような相当クリープひずみ \(\dot{\varepsilon}^{cr}\) が Mises 応力 \(q\) と時間 \(t\) の関数として表される.
ここで \(A\), \(m\), \(n\) は材料定数である.
時間積分と応力更新¶
塑性材料と同様に,クリープを示す構成式に対して数値解析上の時間積分の方法を示さなければならない. クリープを考慮したときの構成式は,
ここで \(\beta_{n+\theta}\) は,
とする.また,クリープひずみ増分 \(\Delta \varepsilon^c\) は,非線形方程式を単純化した
とする.
Newton-Raphson 法での反復計算では,初期値を \(\sigma_{n+1} = \sigma_n\) および有限要素法から求められるひずみ増分として,反復解と増分解は次式とする.
ここで,
とする. 残差 \(R\) が \(\mathbf{0}\) になるまで反復解法を行うとき,応力 \(\sigma_{n+1}\) と接線係数
を用いる.